▲刀騒動▲

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 凛の事が決まったところで解散かと思われたのだが、長老はまだ解散という言葉は吐いていない。 『長老様。もう解散では?』 『まぁ待て雲条。皆に集まってもらった理由はもう一つあるのじゃ。』 雲条の問いに答える長老は、先程とは声色が変わっていた。 『――紫翠。』 『は。』 長老の言葉に返事をすると、監察長の紫翠が前へと出た。 皆の表情も引き締まる。 紫翠は口を開く。 『...単刀直入に言うが、“敵”が動き出している。直に戦となる。』 『!』 いきなりの言葉に凛は目を見開き驚いた。 他の皆は平静な表情をしていた。 紫翠は話を続けた。 『いつ攻めてきてもおかしくない状況...。先に動くか、それとも攻めてくるのを待つか...。どちらにせよ、皆準備をしておけ...。』 紫翠はそう言うと、後ろへと下がった。 『...紫翠が話した通りじゃ。また戦になる。今回は迎え撃つとするかの...。 皆、警戒を強めておれ。紫翠は引き続き、敵の監察をたのんだぞ。逐一報告を頼む。』 『『『は!』』』 皆は動じる事なく長老の言葉に返事をする。 しかし、凛だけは戸惑っていた。 敵が攻めてくる...。 彼ら妖魔の敵は幕府。本当に戦をしているのだと凛は実感する。 そんな凛の様子を察した長老は口を開いた。 『...凛。お主は何も心配せんでいい。危険は及ばん。』 『はい......。』 『――神來、頼んだぞ。』 『ああ、分かってる。』 神來は少し苛つきながらも渋々返事をする。 『...ではこれで終わりとする。皆、ご苦労じゃった。』 長老の解散を意味する言葉に、皆は長老に深く一礼をし、ぞろぞろと屋敷を出ていく。 『ほら、お前も行くぞ。モタモタすんな。』 『ふえ?....あ、はいっ!!』 ボケッとしていた凛は神來に頭を小突かれると、慌てて神來の後についていった。
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