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『...そっか。ありがとう二朗くん。』
『え...?』
『私の事、咄嗟に守ろうとしてくれたんだね。二朗くんは優しいんだね。』
『――!い...いやっ///そんな事ないですよぉ~っ///』
慣れてない言葉に赤面する二朗。
二朗を見て凛はクスクスと笑い出す。
そして、そんな凛を二朗は赤面しながらじっと見つめる。
『...オイラ、人間って冷酷な生き物だと思ってました。オイラ達が出会った人間は、妖魔を毛嫌いしてる奴等にばっかだったから。
でも......凛さんみたいに温かく笑える人間もいるんですね...。オイラ、初めて知りました。』
『......。』
二朗の言葉は凛の心の奥深くへと突き刺さった。
その瞬間、凛の表情からは笑顔が消えていた。
――この妖魔達は、一体どれだけ辛い思いをしてここにに居るのだろう?
自分の知らない場所で時で。
今まで自分が生きてきた時間の中で妖魔と人間の間に、様々な出来事が起きていたのだと強く実感する。
数えきれない程に...。
妖魔達は永い永い時の中で、何を思って生きてきたのだろう。
そして、今の自分には何が出来るのだろう。
しかし、今の凛には答えは見付けられなかった。
▲刀騒動▲終わり
→Nextアトガキ
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