▲刀騒動▲

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『...そっか。ありがとう二朗くん。』 『え...?』 『私の事、咄嗟に守ろうとしてくれたんだね。二朗くんは優しいんだね。』 『――!い...いやっ///そんな事ないですよぉ~っ///』 慣れてない言葉に赤面する二朗。 二朗を見て凛はクスクスと笑い出す。 そして、そんな凛を二朗は赤面しながらじっと見つめる。 『...オイラ、人間って冷酷な生き物だと思ってました。オイラ達が出会った人間は、妖魔を毛嫌いしてる奴等にばっかだったから。 でも......凛さんみたいに温かく笑える人間もいるんですね...。オイラ、初めて知りました。』 『......。』 二朗の言葉は凛の心の奥深くへと突き刺さった。 その瞬間、凛の表情からは笑顔が消えていた。 ――この妖魔達は、一体どれだけ辛い思いをしてここにに居るのだろう? 自分の知らない場所で時で。 今まで自分が生きてきた時間の中で妖魔と人間の間に、様々な出来事が起きていたのだと強く実感する。 数えきれない程に...。 妖魔達は永い永い時の中で、何を思って生きてきたのだろう。 そして、今の自分には何が出来るのだろう。 しかし、今の凛には答えは見付けられなかった。 ▲刀騒動▲終わり →Nextアトガキ
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