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神來が去った後、恐る恐る部屋の襖が開いた。
『.........行ったかな。』
そこから顔を出したのはてっきり寝ているもんだと思われていた凛だった。
どうやら神來の独り言は全て聞いていたらしい。
『...少しぐらいは私の事気に止めていてくれてるのかな?』
凛はそう呟き部屋に戻ろうとした時、どこかで少し大きめの物音がした。
――バタッッ!
『?』
凛は部屋から出ると、物音がした方へと向かった。
屋敷は広くどこから聴こえたのかは定かではない。
しかし、進むにつれ凛は嫌な予感がしていた。
『...確かこっちって桜さんの部屋がある方...?』
昨日本人から教えてもらった桜の自室。
『――桜っ!!!』
『?!!』
凛が桜の部屋の近くまで行くと、桜の名前を呼ぶ大きな声が聴こえた。
――それは紛れもなく神來の声。
その切羽詰まった声を聴き、凛は急いで部屋へと向かった。
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