▲乎蔵里▲

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部屋に着くと襖が開けられていた。 凛は恐る恐る中を覗いた。 そこに広がっていた光景に凛は言葉をなくした。 『おい!桜!しっかりしろ!!おいっっ!』 『......。』 必死に名前を呼ぶ神來の腕の中には、ぐったりとして意識のない桜の姿だった。 『翠明がもうすぐ来てやるから後少し頑張れ!桜!!』 呼び声に全く反応を示さない桜に神來は舌打ちをすると、自身の腕を口にあて噛みついた。 そこからは血が滲み出てきていた。 そして、次の神來の行動に凛は困惑した。 『あっ...あの、神來さん何を...?』 『...。』 神來は凛の方を一度見たが、何も答えず桜の腕にも噛みついた。 そして自身の血を口に含むと、桜の傷口に唇をあてた。 神來の血が桜の体内をめぐる。 凛はその奇怪な行動が理解できなかった。 凛が呆然としていると遠くから騒がしい足音が聴こえてきた。
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