▲乎蔵里▲

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『はぁはぁはぁ...。』 別の部屋へと移動した凛は心を落ち着かせていた。 一方、神來は何も話さない。 このどしゃ降りの上、灯りをつけていない部屋の中は薄暗く、神來の表情を伺うことはできない。 唯一確認出来ることは、未だ凛の手を神來が握っているという事だけ。 そして、最初に声を発したのは凛の方だった。 『......あの...桜さん...大丈夫でしょうか......?』 『翠明を信じるしかねぇ...。』 『そ...そうですよね.........。』 続かない会話。 凛は先ほどの神來の行動も気になっていた。 しかし、それよりも不安で一杯だった。 ―――これが女妖魔の運命。 いずれは......。 皆分かっている事。 でも、あまりにも残酷過ぎる...っ。 こんな運命あってはならない筈なのに! 気づけば凛の頬には一筋の涙が伝っていた。
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