1人が本棚に入れています
本棚に追加
「青葉はんこれからどうする気や?諏訪先生おらんかったら行くとこないやろ?」
「そうですね…。まさか諏訪先生が…。どうしましょう…。」
すると由はいっそう身を乗り出して言った。
「実はな、うちの女中が一人お産で里に帰るんや。それで人手が足りなくてな。青葉はんさえよかったらうちで働かないかい?」
青葉は怪訝そうに眉を寄せた。
「私は素性も知らない者ですよ?そんな女に本気でそんなことおっしゃっているのですか?」
由は困ったように笑った。
「自分でもおかしいって分かってるんやけどな、
なんや青葉はん不思議なんや。
うちこんな真っ直ぐな目の人初めて会うたで。
それにどこかほっとけないしなあ。
行くとこないんやったらうちにおったらええ。
もちろんしっかり働いてもらうけど悪いようにはしないで?」
由は力強くそう言い切った。
.
最初のコメントを投稿しよう!