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夜中、私は母と共に父が帰宅するのを待っていました。
少し遅いなと思って外をうかがうと、父が向こうからふらふらと歩いて来ました。
どうしたのかと思い近づくと提灯の灯りで父が…父が血だらけなのがわかったのです。
私が驚いて声を上げ父の身体を支えると父は力づきたように私に倒れこみ、
護衛の途中、長州なまりの男達に襲われたこと、
斬り合いになったがお役人はなんとか家へ帰し、自分たちも逃げて来たということ、
門弟達も無事家へ帰したということを今にも消えそうな声で繰り返しておりました。
私は驚きで身体が固まりただ父を呼ぶことしか出来ませんでした。
気が付いたら母が涙を流しながら父の手を握っていました。
そして父はそのまま…私に身体を支えられ母に手を握られながら息を引き取りました。
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