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はあ…!はあ…!はあ…! 夜の京の町をひたすら走る一人の少女がいた。 髪は乱れ、足は何も履いておらず、汗が滝のように流れていた。 我が身のそんな状態は少しも気にならない様子で、しかし左手はしっかりと汚れた風呂敷を握り締めていた。 京の町もはずれにさしかかった時それまで無我夢中で走っていた少女は、はっと気づいたように立ち止まった。 「…ここは……?」 そう呟いた瞬間、急に彼女の膝がガクッと折れ、身体も支えを失ったかのように倒れ込み、彼女はそのまま意識を失った。 .
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