氷の世界

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『どうする?ウェンズディ』 答えは分かっていると言うかのようにロロが聞く。他の人達は、突然のドラゴンの出現に唖然と見守るばかりだ 「中に入って、氷の精霊を説得するわ。私なら、元々持ってる魔力が精霊と詠唱無しで話せる能力だもん。話が出来たら、なんとかなるでしょ!」 その言葉を聞いて、ドラゴンは益々目を細める 《人の子よ。お前は私と契約を交わした。今から、30分。お前の身の内にもマグマが通い、凍える事はないだろう。どんな事をしてくるのか、楽しみに待っているぞ》 ドラゴンの吐く息で、氷は先に進む事が出来ないでいる 「ありがとう!」 ウェンズディは迷わず塔に向かって走り出した 『あ!待ってよ!』 ロロも慌てて後を追う 塔の中は真っ白な氷に覆われていた 「行くわよ」 ウェンズディは塔の中を走り出す 「きゃあ!」 一歩踏み出したとたんに氷で滑って、廊下の端まで突っ込んだ 「痛っい!」 立とうとしても、そこらじゅうがツルツルして立てない 『大丈夫!?』 ロロも必死で起こそうとするけれど、体の大きさが違い過ぎる 「なんなのよ!もう!」 こんな時、空を飛べたら…… 『あ~。魔法使いが箒で空を飛ぶ理由が今ようやく分かった気がする……』
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