氷の世界

11/14

6人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
2人がツルツルと氷と格闘している所に、箒に乗った魔法使い達が飛んできた 「ウェンズディじゃないか!」 「ラスト!」 ラストは塔の中で、逃げ遅れた生徒をまとめ、炎の精霊で身を守りつつ、ここまで逃げてきたのだ 「もう逃げられないかと思ったんだけど、さっき氷の勢いが少しだけ弱まったから、ここまで来れたんだ。ウェンズディはこの塔に用はないはずだろ?何をやってるんだ?」 ラスト以外の生徒はウェンズディを無視して塔から離れる 「あんたにだけは頼りたくなかったんだけど……」 尻餅を着いた間抜けな姿勢のまま、不服そうにウェンズディが呟く 「えぇい!時間がない!ラスト!私を氷の精霊の所まで連れて行って!」 ウェンズディの能力を知っていたラストは、すぐにピンと来たようで、何も言わずにウェンズディを抱えて、今来た道を戻り出した 「助かった奴はさっきので全員だ。しかし、ザネリも含めてまだ沢山の人が氷に飲まれた」 説得出来るのか?と言外に聞いてくる 「ざまぁみろだわ!皆酷い目に合えば良いのよ!」 ウェンズディはラストの顔も見ずに悪態をつく 契約の広間には、あっという間に着いた 『酷い……』 そこは、吹雪の吹き荒れる氷の世界だった
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加