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「気づかないはずよね。精霊ではなくて、卵が迷い込んだんだもの」
ウェンズディは卵を取ろうとして、自分の身の内にマグマがある事を思い出した
「あなたの子供でしょう。私が抱くと溶けてしまうから、持ってあなたの元に行く事は出来ないわ」
氷の精霊は静かな笑顔を浮かべた
《良い。私の子供は人の体温で溶けなければ孵る事はないのだ。こんな氷の無い所で溶けて無くなってしまうのはむごいので、孵らぬように凍らせていたが、お前が孵してくれるのであれば、それはお前と契約するだろう》
ウェンズディが卵を抱えると、卵はみるみる溶けて、真っ白なウサギのような氷の精霊に変わった
《頼んだぞ》
無事に孵った子供を見て、氷の精霊は自分の世界に帰って行った
「って……。ちょっと!契約ってどうすれば?生まれたばかりで名前もないじゃない!」
精霊が帰ると、塔の氷はみるみる溶けて行く
「名付け親になれば良いんじゃないか?」
呆れたようにラストが言う
「全く。こんな簡単な事なのに、ウェンズディにしか分からないなんて!こんなに毎回敵わないと悔しくなるよ!」
ウェンズディはビックリした顔でラストを見る
ラストは学校きっての優等生で、ラストに勝ったと思った事なんて拳での勝負、しかも大抵不意討ちでしかないと思っていたのに
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