氷の世界

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この世界では稀に魔法の力を持って使い魔を抱いて生まれる子供がいる その子供達は正しい魔法を学ぶ為に7歳から家を出て魔法学校に入らなければならない 箒で空を飛ぶという魔法は魔法使いの基礎中の基礎なので、大抵の人は1年以内にマスターするはずなのだが、ウェンズディは箒を粉砕するばかりで未だに成功した試しがない 「卒業条件の精霊との契約には何とか成功したけど、これじゃあ卒業した所で雇ってくれる機関があるかどうかだわ」 深いため息をつく 『でも、ウェンズディが契約したのって、ここ何百年も成功した事が無いドラゴンだろ?引っ張りだこにならないのかな?』 「そのドラゴンとの契約ってのも問題なのよね」 ウェンズディがロロにぼやきながら自分の教室の扉を開けた ざわめいていた教室がウェンズディの顔を見てしんと静まり、その後クスクスと陰湿な笑い声と囁き声に包まれる ウェンズディは素知らぬ顔で自分の机に向かい、机に悪口を焼き着けている火トカゲを素手で叩き潰した バンっと響く音に教室が静まりかえる 『あちゃ~。バカって書かれてるよ。そんな事言われなくても知ってるって』
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