氷の世界

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肩に乗るロロにノーアクションで裏拳を入れ、潰れた火トカゲを摘まみ上げる 「僕の契約精霊に何すんだよ!」 「こんな小さい火トカゲくらいで自慢しようと思わないでよね!」 潰れた火トカゲを文句を言ったクラスメイトに投げつけ、精霊に気を取られてる間に間合いを詰めて拳を叩き込もうとした所で先生がやってきた 「みんな!席に着きなさい!」 ウェンズディも舌打ちをして悪口のついた席に座る 『ホント。しょうもない事するよな』 ロロはため息をつきながら長い爪を伸ばして机の表面をスルリと削って悪口を消した 「契約したのがラストだったら、こんな事にはなってないんだろうね」 不服そうにウェンズディが呟く ラストは同じクラスメイトだが、先月初めて精霊との契約に成功したウェンズディとは真逆で、最年少で精霊と契約し、その後も様々な精霊と契約を交わし、先生の覚えもめでたく、生徒からの評判も上々だ ラストがドラゴンとの契約に成功したならば、更なる羨望と尊敬を集める事が出来たのだろうが、ひょんな事から契約に成功してしまったのは前代未聞の落ちこぼれで有名なウェンズディだった 今まで一番下に見ていた者の突然の出世は憧れと尊敬を得る代わりに、妬みと嫉妬を生む 元々、友達なんか居なかったウェンズディだけど、ドラゴンとの契約をした後、ますます1人になってしまった
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