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今までなら率先してウェンズディをからかっていたラストも今は沈黙している
だから、せめて人並みの魔法を使えるようになりたいとウェンズディは昼休み返上で頑張っているのだ
「今日は使い魔に変化の魔法をかけて、違う姿にしてもらいます」
『ちょっと!待ってよ!ウェンズディに魔法なんかかけられたら、たまったもんじゃない!』
精霊は使い魔も含めて、詠唱を唱えない限りは、自分の使い魔の言葉しか聞きとれないのだが、ロロは慌てて尻尾を膨らませながら先生に抗議をした
「ロロ?覚悟はいい?」
冷たくウェンズディが笑う
「大丈夫よ!今までよりしっかり勉強してるんだから!」
『ウェンズディが魔法をかけたら、僕だってウェンズディを蛙にするからな!』
ロロの警告を無視して、変化の詠唱を唱える
ロロの姿はペンキを塗ったような艶の無いピンクに変わった
『何じゃこりゃあ!』
ロロも負けじと魔法を返すが、ウェンズディは間一髪で避けて、後ろにいたクラスメイトの使い魔が蛙に変わる
「私の使い魔が!」
教室内が騒然となる
「ウェンズディ!またあなたなの!」
「私じゃない!」
ウェンズディの抗議は黙殺され、教室から追い出されてしまった
「放課後、校長室に来なさいね!」
先生の冷たい声が廊下に響いた
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