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「失礼します」
小さくなりながら、ウェンズディは校長室に入る
今日は隣でキャンキャンわめく担任はいないようだ
「今日も色々派手にやったようですね。ウェンズディ」
校長先生はロロを見るなり、サッと魔法を解いて黒い元の姿に戻す
『助かった!一時は自殺も考えたんだ!』
元気になって飛び回るロロを横目にウェンズディは黙ったままでいる
「裏庭に壊れた箒の山があると苦情が来ましたよ」
「……だって」
本当はどんな罰を受けるより、校長先生に優しく諭されるのが一番辛い
「私がろくに魔法を使えないから、誰も相手にしてくれなくて、教えてくれる友達なんか居ないし」
校長先生は優しく笑っている
「それに私と契約したドラゴンは間抜けで不幸だって言うんです!」
「あなたが人一倍努力している事は知ってますよ。あなたが素晴らしい魔法使いだって事もね」
「そんなの校長先生1人が知ってるだけじゃ意味ない!」
ウェンズディだって、もう15歳だ。普通に友達と買い物に行ったり夜通し話をしたり、男の子に告白したりしたいのだ
「箒に乗れたら、友達ができるのかしら?」
「校長先生は箒に乗れない魔法使いと友達になりたいと思うの!?」
校長先生にまで自分の努力を馬鹿にされたようで、惨めな気分になった
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