氷の世界

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契約の塔の周りには、氷を押し戻そうとする結界を張る先生達と、塔から何とか脱出に成功した生徒達でごった返していた 「ザネリがウェンズディに負けないような珍しい精霊を呼びだそうとしたんだ!最初は呼び出しに失敗したんだと思ってたんだけど、いきなり契約のサークルを破って大きな精霊が現れた!」 「ラストが詠唱で会話を試みたんだけど、いくつもの精霊言語を操るらしくて、全く通じないんだ!」 「ザネリと何人かは氷に飲み込まれてしまったんだけど、ラストが炎の精霊を使って何とか逃げ出す事が出来たんだ!でも、精霊は怒り狂っていて手がつけられない!」 ザネリはウェンズディに火トカゲを潰された生徒だ 「校長先生!このままでは結界が持ちません!」 皆が口々に校長に叫んでいる。結界の半分は既に氷っていて、壊れるのは時間の問題に見えた 「まだ中にはラストもいるし、沢山残ってるんだ!」 助けて!と校長に泣きながら詰め寄る生徒もいる 「中央の機関に応援を頼んでいます。先生達は何としてでも結界を守って下さい。塔の生徒達はそれぞれの力を駆使して生きている事を願いましょう」 混乱の極みにある塔の傍でウェンズディは呆然とその様子を眺めていた
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