始動術式 何の因果か全力疾走

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 疾走。  聞こえるのは怒号と咆哮、たまに爆発音。  夜風が頬を撫でる。心地好い、と感じる余裕は、今の僕にはない。  脚は破裂しそうで、肺は新鮮な酸素を求めているが、呼吸が上手く行えない。  だが脚を止めることは出来ない。ひたすらに、前へ、前へ。  走る以外の選択肢は、僕には存在し得なかった。一緒に走っている仲間はそうではないが。
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