第一術式 僕の奇妙な日常

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 渡り廊下に差し掛かった。 「お前そっちだろ。部活行ってこいよ」 「えぇー。ギンセーと別れたくない……」 「気持ち悪いこと言うな」  手を振って犬のように、追い払う仕草をする。 「酷い……」  意に介せず、僕は岸谷と別方向へ向かう。 「じゃあな」 「うん、じゃあね」  ゆっくりと、僕は部室へと向かった。  横顔を照らす、日の光。  頬をなぜる風が心地よい。  遠くから、カバディ部の声が聞こえてくる。  そして、他にも感じるものが………………。 「ついてくんな」  岸谷の視線。 「び、尾行は新聞記者にとって重要な技術であって、その練習を」 「さっさと部室へ行け」 「はい……」  肩を落とした岸谷が部室へ向かうのをしっかりと見届けてから、僕は改めて部室の方向に体を向けた。
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