第一術式 僕の奇妙な日常

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「おっす、玖払」 「やぁ、武道」  部室に入るなり、武道 拳士<タケミチ ケンシ>が声をかけてきた。  一年八組所属の、僕と同じ新入部員である。  とはいえ、こちらは魔術関係の家系の生まれだが。  短い髪に、精悍な顔。  その眼差しは、武道家特有の強い意志を秘めている。  何処で着替えてきたのか、既に胴着姿だった。  彼の専門は、神拳。  僕もよく分かっていないが、宗教と深く関係した武道だとか。  中国の気功みたいなものか、と聞いたところ、大体そんな感じだと言われた。  少なくとも、お前は既に死んでいる、とは関係がないようだ。  自分の家の流派を発展させるため、より詳しく魔術を知りたいらしい。 「精が出るね」 「まぁ、嫌いじゃないっすから」  腕立て伏せをしながら武道は応えた。  ちなみに逆立ちしながらの腕立てである。  僕には到底真似出来ない。
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