test2・不安と

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「という訳で今日はぱるの家に行こうと思う!!」 そう言って白帆が机を叩く。飲み物が零れるからやめて欲しい。 「なんでまた急に?」 「だってよ、この中で寮じゃないのはお前だけだからな」 そんな理由で来られても困る。 どこぞの魔女の派手な撃破演出の後の第4形態ぐらいに困る。 「確かに興味ある。普段どんな生活なのか」 「そんな事知っても意味はないと思うのだけど…」 「という訳で行くぞー!!」 完全にノリ気な2人。まぁ教授は研究室に籠もってるから良いかな… 「じゃあ2人共、目を瞑っていて」 「なんでだ?何故瞑らないといけないんだ?」 「そうしないと私の家には行けないけど?行きたくなければしなくても良いわよ」 「仕方ない…瞑っといてやるか」 抵抗する白帆をよそにアズはノリノリで目を瞑っていた。 これなら転送出来る… 私が腕を突き上げると辺りが光に包まれた 「もう目を開けていい…」 私が言い終わるまでに、2人は目を開けてキョロキョロ周りを見渡している。 「うぉ!!なにこれすげー」 「もしかして…宇宙?」 はしゃいでる白帆に対してアズは冷静に質問してくる。 「その通り、ここは宇宙だよ」 嫌な声が聞こえた。まさかと思い振り向くと…教授だった。 「やぁ。ウチのパープルがお世話になってる…白帆さんとアズさんだっけか」 「うわ!!いきなり現れた!!」 ワンテンポ遅い白帆の反応。ボケではないと信じたい。 「神出鬼没は基本だからね。そんなことよりお客人、私の事は教授と呼んでくれい」 相変わらずのマイペースだ…他人なんか全く関係ない感じで突き進んでいる… 「教授。これは宇宙船?」 こっちはこっちですっかりアズが順応している…恐ろしい子… 「宇宙船じゃなくてこいつは機動要塞なんだな。宇宙どころか地中や水中だっていける」 「へーすげーな!!」 気のせいか白帆はそれしか言ってない気がする… 「こんな所で喋るのは何だから場所を移しませんか?」 「そうだね。それがいいかもね。じゃあ私が案内するからパープルは今の内に身支度してきなよ」 そう言って教授は2人を連れていく。 少し心配だけど私は自室に戻る。 「そういえば…私がパープルって呼ばれたのにスルーだったな…」 などと独り言を言いつつ、ちょっと寂しいような嬉しいような変な気持ちになった。
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