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「色ってどう変えるんだ?」
「変えることは出来ないの。残念」
「2人共、ここに模擬戦用の武器があるから好きなの持って」
そう言って教授が武器を持ってくる。一体どうやって持ってきたのか気になる量だ。
「やっぱり戦いはパワーだな」
そう言って白帆は自身の巨大なハンマーを持つ。
実に重たそうだと思いながら私は刀を持った。
「それじゃ2人共、位置について~」
私と白帆は指定された初期位置に立つ。
「あ、制限時間はなしで、どっちかが有効打を与えるまでだからね~」
教授がわざとらしく気の抜けた声で言う。
「それじゃ…始め!!」
開始の合図の声が響いた。
機動要塞サテライト・最深部
辺りは静寂に包まれ訳のわからない機器が不気味に光っている。
「迷った」
そこにアズが居る。
方向音痴ではない筈なのだが、ここに着いてしまった。
何故ここに辿り着いたのかと考える事はせず、まるで探検をする様な感覚で突き進んで行く。
進んでいるとカプセルみたいな物が並んでいる光景が目に飛び込んできた。
そのカプセルの中に入っている液体は、色がありながらも澄んでいて、中身がはっきりと見える程である。
興味本位で近寄って見てみる。
「ぱ…る…!?」
カプセルの中にはよく知っている人物の顔をした人間。
どのカプセルの中も、同じ顔、同じ体をした人間。
「クローン…?それとも…」
左右どちらを見ても目を疑いたくなる光景
しばらく探索している内に肩に割り振られた型番が書いてある事が判明した。
いつも会ってるぱるが実はここにあるどれかだったとしたら…
もしも本物、本人だったならこんな型番なんて書いてない筈。
次第に不安に駆られ探索を止めて、来た道を戻る。
私の知っているぱるが作られた存在とは考えたくない。
ただ、そんな気持ちだけが残っていた。
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