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「白帆とアズはどうだったの?」
と、状況を整理する為の時間稼ぎとして問い返してみたが
「人気投票は上位十名しか公開されないからオレは知らないね。」
「同じく。というか興味ない」
とすぐに返事が返ってきた。
私も興味はなかったが、ランクインしてしまった以上、関わらないといけないだろう。
そんな気持ちが出てきてしまい、状況の整理どころではなくなった。
「しかも、一年生の中では一位だった。」
「ちなみに掲載された上位十名と各学年上位三名はインタビュー的なものを受けたりして、注目を浴びるらしいぜ」
白帆とアズが追い討ちのようなものをかけてくる。
何故か白帆は楽しんでいるように見えた。
「それって…辞退はできないの?私は転入してきたばかりで恐らく変な補正が入ってると思うから」
「無理じゃねーの?結果が結果だし、そこに載った時点でもう高等部じゃ有名人だしな。」
「それに、お前さんは高等部にいる女子から敵と見なされ…」
「納得いかないんだけどぉっ!!」
張りのある声と共に、いきなり黒髪ツインテールが飛び出してきた。
「なんで新参者の貴女が学年一位な訳なの!?」「そんなのこっちにもわからない。正直、これはおかしいと私も思うのだけど」
「やけにあっさりした反応ね…まぁ良いわ。兎に角、人気では負けたけど、今度行われるスポーツレクリエーションで改めて勝負しなさい!!」
「ちょっと話が読めないけども、その勝負、別に私は構わないよ」
「ふふん。良い判断ね。後で後悔させてあげるっ!!」
そう言い残してその黒髪ツインテールは去っていった。
「嵐のような奴だったな…」
「あの子って中等部で全成績一位だった人だよね?」
その黒髪ツインテールが去った後は、周りがざわついていた。
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