test1・過去と

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その後、ざわついたまま昼休みが終了し、午後の授業なのだが…どうやら昼休みの黒髪ツインテールも私と同じクラスらしい。 あんな約束をした手前、話しかけ辛いけど、気になったから思いきって放課後に話を聞こう。 放課後・中庭ガーデンにて 「どうして私がここに居るのかしら?」 ちょっとご立腹の様子。 「どうしてって聞かれても、聞きたい事があるから呼んだだけだよ」 「聞きたい事?ならそうと言えばいいのに…わかったわ。答えられる事なら答えてあげる」 「流石優等生。人が出来てるね。これなら頼りに出来る」 「頼られて突き放すような非道な事はしないわよ…」 (それにしてもこの切り替えの早さは凄い…) 「で、何が聞きたいの?転入生さん」 「そうね…って転入生さんはやめてくれないかな?」 「貴女の名前がわからないんだからこう呼ぶしかないでしょう?」 「じゃあ質問の前に自己紹介といきましょうか。私の名は…今のところはヴィオレールって事になってる。よろしく」 「今のところって…何か深刻な事があるみたいね。さて、自己紹介されたんだし応えない訳にはいかないでしょう。私はアーテル・ノワール。みんな呼び方が違うからアーテルかノワールで好きな方で呼んで」 「せっかくパシられてやったんだから感謝しろよな!!」 互いに自己紹介が終わったところで白帆とアズが帰ってくる。いいタイミング。 で、どうだった?と言わんばかりのアズの表情。お願いだから喋って。 「しかしだ、高等部と中等部でこんなに中庭の広さに差があるんだな。びっくりしたぜ」 そう言いながら白帆は買ってきたポテトをつまむ。 それ…私のなんだけど… それより今はせっかくだからアーテルから話を聞く事にする。 「で、聞きたい事と言うのは…」 私は言おうとしたが、肝心のアーテルはアズから貰ったクレープにご満悦。 仕方がないから食べ終わってからでも良いかなと思い、私も白帆が買ってきたドーナツに手を伸ばす。 バシッ ドーナツを取ろうとした私の手が白帆に叩かれる。 白帆を見ると、食べたらコロスという様な表情をしている。 私のポテト食べてるくせに…
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