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「じゃあ最後にこの学園の学科の事なんだけど、学科の種類について授業で聞いた事以外を教えて」
「学科ねぇ…」
私が尋ねると、アーテルの顔が強張る。真剣な顔になったと言う方が正しいのだろうか。
それを見て、私は無茶な注文をしたんだろうか。という気持ちになったが、少しの空白の後、アーテルが話し始めた。
「この学園にある学科の種類が多いのは知ってる前提でいくわ。この学園の学科はまるで社会の縮図。そう言われていて、ここにないものはないと言われる程なの。」
「つまり…なんでも揃ってるって訳ね」
「そう。そして、種類も普通科から、かなりコアな専門学科まであるの。」
「某学園RPGにそんなのあった。」
「学科の中にも、例えば消防士養成科とか、政治科、特に最近はHAS操縦技術者養成科っていうのが人気ね」
「HAS操縦技術者養成科って何なんだ?聞いた事ないんだが」
「HAS操縦技術者養成科はその名の通り、数年前から普及し始めた、パワードスーツ型の汎用機であるHASを扱う人材を育てる学科で、最近出来たのよ」
HAS…やっぱり私はそれとは因縁の様な関係なのか…と思いつつ、アーテルの話を聞くのに戻る。
「また、HASを扱う際に着る女性用パイロットスーツに当たるものがHASを装着しなくても、HASを超える性能や耐久性を備えていた事がわかったから、そのスーツに自律浮遊装備を付けたものを扱ったりするみたい」
アーテルの話に区切りがついたところで私は
「確かHASはオリジナルとレプリカがあるって聞いたけど、その辺りはわかる?」
と、心の中で無理な質問だと思いつつも、い口に出してしまう。
「そうね。学園のは全てオリジナルらしいの。ちなみにさっき言った高性能なスーツはオリジナルで、この学園には4着しかないそうよ。レプリカを作ろうとしても、全然駄目らしいわ」
流石の情報量。と感心していると
「さて、ここまででいいかしら?時間も時間だし」
とアーテルが切り上げる。
「今日は遅くまで付き合ってくれてありがとう。アーテル。」
「困ってるクラスメイトを助けるのもクラス委員の役目だからね。また困った事があったら力になるわ。それじゃまた明日」
いつからクラス委員になったんだろうかと思いながら手を振る。昼休みはあんな感じだったけど、案外いい人みたいで良かったと再確認しながら解散し、帰路に着く
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