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他の3人は寮なのでいつも通り1人で帰る。
この時間がなんとなく寂しく感じる。
昔はこんなことなかったのに…
「只今戻りました。」
そう言ってドアを開ける
「どうだった?今日の学校は」
相変わらずの出待ちだった。
「教授、今日は聞きたい事があります。」
私は威圧するかのように言葉を放つ。
「大体聞きたい事はわかるよ。HASとそれ用のスーツのAGSでしょ。単なるサプライズだよ」
「…サプライズ!?また世界があんな事になっていいって言うんですか!?あんな事はもう御免ですよ!!」
「落ち着いて。これもね、この世界ならあの世界の様にはならないと思ってやったんだから」
「これが落ち着いていられる状況ですかっ!!前の世界を滅亡まで追い込んだ兵器をまた別の世界で配布するなんておかしいですよ!!」
「確かに、おかしいのかもね。でも、この世界が前の世界と同じ結末に行き着くとは限らない。つまり私はこの世界がHASをどう利用するのが見たい。それだけ」
「どうせ…またあんな事になったら…あの時みたいに私がやらなきゃいけないんでしょう…」
「そうだね。そうなったら頼むよ。NP-00パープル」
「もう疲れました。今日はもう休みます…」
そう言って私は部屋の奥へと進む。
この世界に来る前に起こった惨劇。それに終止符を打つ為の人型生物兵器として改造した私の身体と、私の身体をベースとしたPタイプのアンドロイド。
全てを殲滅する私と私の姿のアンドロイド。
母親に泣きすがる子供の顔。
命乞いをする人々などにも容赦なく、ただ破壊する為に動き、世界をリセットさせる。
私はこの事を忘れたかったのに…思い出したくなかったのに…
やっと…人並みに生活出来ると思ってたのに…
涙が止まらない。
二度と経験したくなかった事がまた起こるかもしれない…
落ちる…どこまでも…落ちて…いく…
培養液の入ったカプセルの中に私は落ちる。これは身体の修復、更新等を兼ねているが、一番の理由は私の壊れかけの精神を安定させること…
壊れてしまったら…楽になれるのかな…
そう思いつつ、眠りに落ちる。絶対に繰り返さないと誓いながら…
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