0話:新暦251年1月1日

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-仁side- 政府の追っ手から逃れ、無事に家の前に着いた仁と隆志は、車を降りて玄関の戸を開けた。 ………ガチャ 「ただいまぁ!!!!!」 「うるせぇ!!」バシッ 「イタッ!?………別に良いじゃないですか、せっかく無事に帰ってこれたんですから…」 「だが、限度ってもんがあるだろうが!」 「ハァ…分かりましたよ、すみませんでした。以後気を付けます………これで良いですか?」 「これで良いですか?て…早くは入れよ、後ろ詰まるだろ」 「はーい」 ……………………… 「おかしいですね」 「ああ、何も反応がない…誰も俺を出迎えに来ねぇとは…何かあったか!?」 「それなら、大元帥である僕の方が出迎えてあるべきですよね!」 「ハッ?…ゴメンもう一回言って」 「いや、だから隆志さんに出迎えがあるなら、僕にもあってもおかしくないですよね、大元帥何だから…」 「ハッ?……あり得ないだろ、お前に迎えなんて」 「エッ!?なっ何で!?何で隆志さんには居て僕には居ないの!?普通逆でしょ!」 「まぁ、基本的にお前は誰も寄せ付けないオーラ放ってるからな…必然的に迎えも来ないって訳だ」 それもそのはず、仁は他を寄せ付けない程の高い実力者。さらに、皆の前では、ちょっと危険な雰囲気を纏っているのだから、内心びびって近付けない人間だって多いのだ。 「そんなぁ、あんまりだよ…」 「……ま、近寄ってこないからと言って皆がお前の事が嫌いって訳じゃねぇ。寧ろ逆だ。お前の事が好きでたまらない、心から感謝してるって奴の方が圧倒的に多いだろうな。それだけお前は、信頼されてるんだぞ。勿論、俺もお前に命を託す思いで大元帥の為に精一杯するつもりだ」 少しニヤニヤしながら熱弁する、明らかにおかしい隆志の態度に気づかず、仁は感動したのか 「隆志さん…」 隆志は、いつになく真剣な目をして、 「まぁ、嘘だけどね…」 …………… さっきまでの空気をおもいっきりぶち壊したのだった。 「隆志さんのバカァアァア!!!!!」 「ハハハ、たまには良いだろ。こういうのも」
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