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-仁side-
政府の追っ手から逃れ、無事に家の前に着いた仁と隆志は、車を降りて玄関の戸を開けた。
………ガチャ
「ただいまぁ!!!!!」
「うるせぇ!!」バシッ
「イタッ!?………別に良いじゃないですか、せっかく無事に帰ってこれたんですから…」
「だが、限度ってもんがあるだろうが!」
「ハァ…分かりましたよ、すみませんでした。以後気を付けます………これで良いですか?」
「これで良いですか?て…早くは入れよ、後ろ詰まるだろ」
「はーい」
………………………
「おかしいですね」
「ああ、何も反応がない…誰も俺を出迎えに来ねぇとは…何かあったか!?」
「それなら、大元帥である僕の方が出迎えてあるべきですよね!」
「ハッ?…ゴメンもう一回言って」
「いや、だから隆志さんに出迎えがあるなら、僕にもあってもおかしくないですよね、大元帥何だから…」
「ハッ?……あり得ないだろ、お前に迎えなんて」
「エッ!?なっ何で!?何で隆志さんには居て僕には居ないの!?普通逆でしょ!」
「まぁ、基本的にお前は誰も寄せ付けないオーラ放ってるからな…必然的に迎えも来ないって訳だ」
それもそのはず、仁は他を寄せ付けない程の高い実力者。さらに、皆の前では、ちょっと危険な雰囲気を纏っているのだから、内心びびって近付けない人間だって多いのだ。
「そんなぁ、あんまりだよ…」
「……ま、近寄ってこないからと言って皆がお前の事が嫌いって訳じゃねぇ。寧ろ逆だ。お前の事が好きでたまらない、心から感謝してるって奴の方が圧倒的に多いだろうな。それだけお前は、信頼されてるんだぞ。勿論、俺もお前に命を託す思いで大元帥の為に精一杯するつもりだ」
少しニヤニヤしながら熱弁する、明らかにおかしい隆志の態度に気づかず、仁は感動したのか
「隆志さん…」
隆志は、いつになく真剣な目をして、
「まぁ、嘘だけどね…」
……………
さっきまでの空気をおもいっきりぶち壊したのだった。
「隆志さんのバカァアァア!!!!!」
「ハハハ、たまには良いだろ。こういうのも」
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