表と裏

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「アベルおはようございます。もうご飯出来ていますよ。」 そう言ってフライパンを持ってキッチンから出てきた男性は、まるで朝食とは思えない手の込んだ料理を作っていた。 「クラウス、今日もすごいな。」 料理を作っていた男性はクラウス。見た目は知的で銀色の少し長めの紙を後ろで結っている。 「美味しそうに食べる姿を見るとつい張り切ってしまうんですよ。特にカレンの食べっぷりと言ったら…」 「だって美味しいんだもん!」 階段を降りながら叫ぶカレンが来た。 先程とは見た目が変わり、髪がポニーテールになっていた。 これが普段の彼女のスタイルらしい。 「それはそうと早く食べようよ。」 アベルが既に席につきフォークを持って待っていた。 「「はい。」」 …他愛もない会話。 それぞれ闇を抱えながら毎日を過ごしている。 その闇を切り開くために、3人で手がかりを探しているのだが… ここ数年なにもないのが事実というものである。
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