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グラウンドには既に多くの生徒が出てきて、進級に伴う場所変更に戸惑いながらも、なんとなくの場所に並びはじめている。
人数の多い団体はなにかと鈍重になるもので、ここの生徒達も例外ではなかった。
ただ新一年がまだこの場にいないため、それなりに余裕を持って二年生と三年生が限られた空間に収まることとなる。
名桜(めいおう)学院は、平たく言えばマンモス校だ。
生徒の数は四桁に及び、校舎は四棟。
三年生の教室がある新設校舎以外の三つの建物が、校庭を囲うようにコの字型を描いていた。
そのコの字の外側に、体育館や新校舎が聳えている。
煉瓦造り風の外壁が特徴で、どことなく西洋的な雰囲気すら漂わせているため、学校見学にきた中学生達にはおしゃれなものと映っては気持ちを昂らせた。
しかし実際慣れてしまえばそこまで意識されるものでもない。
この学院の生徒として過ごしていれば、学院の特徴として挙げるものはおしゃれな校舎などではなくなる。
――生徒全員みな部員。
学院での日々の半分は学業であっても、密度の高い時間を過ごすのは部活。
誰ひとりとして帰宅部がおらず、必然的に数や種類の増えた部活動こそが特徴だった。
部活推薦による入学が多いだけでなく、そうでなくとも多少学力に不足があろうが部活の成績に輝くものがあれば受かる、なんて噂も流れたほどである。
そして、およそ部活として活動するとは信じがたい内容を掲げた部活の存在も、噂として生徒達の間に囁かれていた。
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