『プロローグ』

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  「ああアあっ、死ぬ! マジで死んじゃうッスよおおおおっ!!」  防壁の外。対爆撃シェルター以上の強度を誇る鋼鉄の壁に四方を護られた町の外で、黒髪の少年の絶叫が木霊す。  絶叫の説明は簡単で、ただ単に文字通り涎を撒き散らして追いかけてくる、ちょっと黄ばんだ乱杭歯に漆黒の毛皮の獣に捕食されそうなのである。  そして、その光景を「爆乳搾り」という、もはやセクハラでしかないネーミングセンスで販売されているパック牛乳をチューチューしながら、その状況を笑顔で眺めている少年がいる。  
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