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黒髪の少年は魔術媒体(見習い用)である銀の指輪を飾った右手を魔物へと向ける。
そして黒髪の少年は、指輪へと意識を集中させる。
魔力の高まりを感知して危険だと判断したのか、それとも魔物に「空気を読む」という特殊スキルが備わっていたのか。
魔物は足を止めた。
それを好機と見てとった黒髪の少年は、一気に術式の構築を終わらせる。
「ーー喰らえええいっ!!」
彼のイメージでは、手のひらから放たれた特大の火弾が、一瞬にして魔物を焼き尽くすはずだった。
あくまでも『イメージ』では。
現実は、ぷすっ、と手のひらからか細い煙が一本でた。
以上である。
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