やさしい夫

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目が覚めてリビングへ行くと、お味噌汁のいい匂いが漂っていた。 ああ 少しお腹がすいてきたわ。 「ほんの少しだけでいいから、食べようよ」 男に促(うなが)されてテーブルにつくと、お粥と、小さく刻まれた野菜がいっぱいのお味噌汁が用意されていた。 「クックパッドで調べて作ったんだ。料理は難しいね」 お味噌汁の野菜はどれも形がバラバラで、きっと本当に不器用な男なんだろうなとうかがえた。 「ふふ」 私はおかしくて笑ってしまった。 その様子に男は驚いて、目を皿のようにして私を見ていた。 「ほら、冷めてしまうよ。食べて。お願い」 私はゆっくりと椀を持って、お味噌汁を一口 口に含んだ。 久しぶりの食事はとても美味しかった。 私は吐いてしまった。
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