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俺は開けてしまった。
きっとそれはパンドラの箱だったんだ。
俺と明日美は高校時代からの付き合いだった。
小さな身体で大人しく、口数の少ない明日美はとても可愛くて愛しくて、一緒にいると落ち着いた。
でも、明日美は俺にキスすらさせてくれなかった。
手を握るのを許してくれるのにも半年以上かかった。
それでも俺は明日美と一緒にいたかった。明日美が大好きだった。
明日美が短大に行く頃には俺は働いていて、一人暮らしをし始めた。明日美と同棲していた。
付き合いだしてから約5年。
俺は明日美に体の関係を求めた。
手を繋ぐのにも、キスを許してくれるのにも時間がかかった明日美。
手でしてくれることはあったが、触らせてはもらえなかった。
キスのそれとは違う、本当にその行為自体を嫌がる明日美に無理強いはしなかった。
だが、明日美の短大卒業を期に俺たちは結婚をした。
俺は子供が欲しかった。
明日美はわかってくれた。
俺は、明日美を抱いた。
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