妻がいない

3/6
前へ
/25ページ
次へ
明日美は、俺が今まで抱いたどの女とも違っていた。 「明日美、痛い?」 明日美はただ目を瞑(つむ)って首を横に降るだけだった。 でも入らない。 締まりがいいとかそういう話じゃない。本当に入らない。 処女でなかなか濡れず入りにくい女もいたが、それとも違う。 指は入るのに。 入れようとすると本当に入らない。 そして、そして明日美は、 俺の指だけで何度もイクんだ。 「気持ちいい、よ」 明日美はイクたびに、はあはあと息を荒げながら、必ずそう言う。必ず。 過(よぎ)る。 どうしても頭を過ってしまう。 明日美とすればするほど、俺は考えたくない思考に進んでしまう。 「明日美って、初めてじゃないよね……?」 「………」 答えない。イエス、だ。 俺は確信に迫った。 「相手は「ねえ、しよ?!」 明日美は俺の言葉を遮(さえぎ)って、俺のベルトを外し、ズボンのチャックを下げだした。 「明日美……」 「きもちいい?」 はあはあと口の周りをベタベタにした明日美は俺に上目遣う。 「ああ、気持ちいいよ明日美」 俺は潤んだ瞳の明日美の髪を撫でながら果てた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加