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あの日、待ち合わせ場所にいたのは小百合さん……だけではなかった。
加賀の運転する車に乗ってやって来た小百合さんに、明日美は戸惑いを隠せず体を強ばらせていたが、小百合さんに促され 車に乗ったらしい。
そして車内で加賀にレイプされそうになり、気を失ったということだった。
警察は指紋だけ採って帰って行った。
そして、
明日美は車内での加賀との出来事を思い出したあと、薬で一度 眠り、目覚めたときには今度は母親である〝加賀 小百合〟だと思い込んでしまっていた。
心療内科医の話によると、車内で加賀に犯されそうになった明日美はフラッシュバックした記憶が強く残り、精神が当時の〝14歳の明日美〟になってしまっていたという。
警察の事情聴取により、車内で加賀にレイプされそうになったあとに起きた、本当の事件を思い出した14歳の明日美は更にパニックに陥った。
現実逃避を繰り返した明日美は終(つい)には小百合さんとして目覚めてしまったということだった。
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