2人が本棚に入れています
本棚に追加
交通事故の記憶はない。
私が気が付いたとき、私は病院のベッドの上だった。
とめる医師を押し切って、警察から交通事故のことを訊かれたけど、交通事故に遭ったことすら忘れていた。
私はただただ泣いていた。
夫を亡くして悲しい。
ひとりぼっちになってしまった。
とても悲しい。
早く家に帰りたい。
夫と過ごした、私達の家に。
…でも嫌だ。
夫と過ごした思い出を、思い出したら私、もっと悲しくなって辛くなるんじゃないかしら。
最初のコメントを投稿しよう!