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スーツの上着を脱いでハンガーにかける。
ベッドに倒れ込み、一日中歩き回って棒のようになった足を投げ出す。
枕元にあったリモコンでテレビをつける。
バラエティー番組の芸人達が大口を開けて笑っている。
何にもおもしろくない。
冷めた目で見てしまう自分に気付き、ため息をつきテレビを消した。
俺は今の生活を不幸だとは思っていない。
世界には俺のこんな生活になれるなら寿命が縮まってもいいという人だっているだろう。
実際、アパートの向かいにある公園にもホームレス生活をしている男がいる。
俺には職がある。一定の金もある。
長崎に帰れば、家族もいる。
高望みする必要がどこにある。
明日も仕事だ。もう寝よう。
思っていたより疲れていたのか
俺はすぐに意識を手放した。
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