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同い年で小学生に入る前からの長い縁。
その頃から紫琉は初音が好きで、つい一週間前に告白してオーケーを貰ったばかりなのだ。
だから、いつ呆れられて別れを告げられるかと不安でいっぱい。
「暑いし、さ……プールでも行かない?」
とにかく初音の事を第一に考え、行動する。
「っ……はっ、行かないわ。一人で行ってきたら?」
そんな思いも伝わらず、初音は勉強道具をまとめると、スタスタ部屋から出て逝ってしまう。
「あっ……」
後に残された紫琉は、呆然と立ち尽くすだけ。
別れを告げられなかった事だけに、安堵の溜め息を吐き出すだけ。
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