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明るい空は黄金色に。ヒグラシの鳴く涼しくなった夕方。
紫琉がプールから帰り、自室に入ると初音がベッドに腰掛けて足を組んでいた。
白いタンクトップにジーンズの昼間と同じ恰好で、部屋に入って来た紫琉を、いつもの冷めた赤い瞳で見詰めている。
「お帰りなさい。どこに行ってたの?」
「えっ……と、プールに」
その視線で、紫琉の身体は硬直した。手荷物はボトリと床に落ちる。
「私は行ってないのに?」
「だって行かないって……」
急激な体温下降で痙攣仕出す。
「そっ、じゃあ別れましょうか?」
「や、ヤダッ! 初音と離れたくないっ!!」
それでも、最悪の事態は回避する為に口は動いた。
初音はその台詞を聞くと、ベッドから腰を上げ、紫琉と息が交わる程の目前で膝立ちになる。
「別れたくないなら、私が良いって言うまで動かないで。声も出しちゃ駄目よ?」
恐らく最後のチャンス。そう感じ、紫琉は首を縦に振るった。
そこからはアッという間。初音は紫琉のベルトを外すと、下着ごとジーンズを膝上までズリ降ろす。
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