Prologue.

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所々から漏れだす太陽の光よりも、遥かに大きい光。 榮凪は驚きを隠せないまま、高鳴る胸の鼓動に合わせ、久しぶりの笑みを浮かべる。 何ヵ月も笑える環境にいなかった為、その笑みもどこかぎこちないがそれでも嬉しいことは確かだった。 コツと天井の扉から伸びる石の階段に靴底が舞い降りる音が聞こえる。 音と同時に、白いスラックスを履いた長い脚が正体を現す。 風爾轟太。 まさしくその脚はその者の脚であった。 雰囲気で何となくは想像がつく。 彫りの深い異国情緒な顔立ちをし、後ろで束ねた綺麗な長い髪。 間違いなかった。
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