2/17
前へ
/194ページ
次へ
「有紀ちゃん!ただいま!」 「林檎……」 1時間授業をサボってしまい、次の休み時間も加賀君と過ごしてから教室に戻ると、有紀ちゃんは浮かない顔をしていました。 「どうしたの…?」 「……………」 何も言わない有紀ちゃんを見ると、右手に消ゴムが握られています。 消しゴム? ふと机を見ました。 有紀ちゃんが立っていたのは私の机の前でした。 「有紀ちゃん…これって…」 「ごめん、林檎…私が帰ってきたらもうこうなってた…」 私の机は落書きでびっしりでした。 有紀ちゃんはそれを必死に消そうとしてくれていたみたいです。 そこには “二股女!!” “裏切り者” “ブス” “死ね” 色んな言葉が書かれています。 きっと岬君とのやりとりを誰かに見られていたんですね…。 でも…これは酷過ぎます。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

271人が本棚に入れています
本棚に追加