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「大丈夫。あんたは悪くないよ」
有紀ちゃんは悄気た私の頭を優しく撫でてくれています。
二股なんて…してないのに…
確かに岬君を好きでいながら加賀君と付き合ってたけど…今はちゃんと加賀君の事が好きなのに…
「有紀ちゃん…バチが当たったのかな?」
「何言ってんの!そんなわけないでしょ!」
有紀ちゃんはそう言うけど…
クラス中の視線が痛いのです…。
有紀ちゃん以外の皆が敵に見えてしまいます。
「それより、加賀といたの?」
「うん…。ちゃんと仲直りしてきたし、付き合い直したよ」
「そっ。じゃぁ、何にも問題ないね。これ消すの止めよ」
有紀ちゃんはほっとした表情を見せると、笑顔で消しゴムを机に置きました。
「え…?」
「もう6時間目始まっちゃうからさ、辛いかもだけど1時間は我慢して」
「有紀ちゃん?」
「大丈夫だよ」
ニッコリ笑う有紀ちゃん。
さっきまで浮かない顔をしていたのが嘘のようでした。
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