6/17
前へ
/194ページ
次へ
「机、見せろ」 そう言われたので、私は机から腕を離し、椅子に背中をつけました。 有紀ちゃんが少し消してくれましたが、大体の字は残っています。 「はっ…ふざけやがって」 一通り目を通した後、ボソリと呟きました。 わぁ…加賀君が怖い顔してる… この顔を見たのは昨日の事件の時以来ですね。 はい、昨日の今日です。 「お前等…よく聞けよ?」 加賀君はすっと顔を上げると教室に全体、廊下と見渡しながら静かに低い声で言いました。 辺りは静まり返っているため、充分聞こえます。 「コイツ、丸井林檎は俺の女だ。岬のじゃない。岬は俺の女だって知っていながら林檎に手を出した。嫌がる林檎にな」 加賀君…何を言ってるんでしょうか… 「だからアイツは殺す」 !!!?? 教室中の空気が変わりました。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

271人が本棚に入れています
本棚に追加