11/17
前へ
/194ページ
次へ
「ん?」 加賀君は少しだけ、顔を近付けます。 もう一度ちょいちょいと手招きをします。 初めて加賀君と裏庭に行った時を思い出します。 「どうした?」 察してくれたのか、右耳をこちらに差し出しました。 たくさんの生徒の視線が注がれています。 指名された3人は必死に机の落書きを消しています。 そんな中、たくさんピアスがついている耳に向かってコソコソと言いました。 「後でぎゅってしてください…///」 とっても恥ずかしかったけど、してもらいたかったんです。 「はは。お前可愛過ぎ」 そう言って加賀君はくしゃっと笑いました。 その瞬間… ――フワッ 「わっ!?」 体が宙に浮いたのです。 気が付くと何故か加賀君に抱っこされていました。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

271人が本棚に入れています
本棚に追加