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加賀君がビシッと言ってくれたおかげで、影口を叩かれることも、机に落書きされる事もパッタリなくなりました。
それどころか、陰口を叩いていた子達や木村君達も謝りに来てくれたのです。
皆、加賀君が怖いんですね。
よくわかりますよ。
でも…最近は…怖いよりもカッコよく見えて仕方がないのです。
だけどこれは有紀ちゃんと私だけの秘密です。
「林檎」
「はいッ!!」
耳元で囁かれて背筋がピンとなりました。
「行くぞ」
今日も加賀君と昼休みデートです。
「いってらっしゃーい」
ヒラヒラと手を振る有紀ちゃんに手を振り返すと私はそのままその手を加賀君の手に絡めました。
「次の授業何?」
「数学です」
「んじゃ、ギリギリまでいられるな」
「はいッ」
加賀君はいつも5時間目の授業を聞きます。
移動教室だと早めに教室に戻ってこなければいけないからです。
「加賀君…」
「んー?」
「…大好きです…///」
「…知ってる」
私の彼は大きな身長に金髪、ピアスがたくさん開いた耳に低い声と口が悪いのが特徴です。
だけど本当は、とっても綺麗な顔立ちをしていて優しくて、少し照れ屋だけど私を守ってくれるカッコいい人です。
これからもっと幸せになれそうな予感がするのです。
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