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コイツは昔から喧嘩ばっかりで、喧嘩をする事でストレス発散するような奴だ。
すぐに殴り合いで解決しようとするし、どうしようもない奴だが、自分よりも確実に弱い奴には絶対に手を出さない。
俺は、そこが気に入ってもう3年くらい一緒にいる。
そんな吉良が、たまたま栄(さかえ)中の奴等に手を出した。
街中で口論になったらしい。
そいつが運の悪い事に、油井忠臣(ゆいただおみ)の後輩だったようだ。
油井は、そこら近辺の中学の中では、結構名が知れていたし、喧嘩も強かった。
後日、その後輩と俺の中学に乗り込んできた油井が、吉良に殴りかかり喧嘩になったが、俺が間に入った事によって標的が俺に変わった。
それから油井が、人数を集めて俺に襲撃をかけてくるまで、そんなに時間もかかんなかった。
先に手を出したのは吉良だし、俺は油井に謝った。
絶対、吉良が謝るわけねぇからな。
そこで和解するはずだった。
「俺、昔からお前の事は嫌いだったんだよな…悪いけど殴られてくれや」
そんな訳のわからない事を言われ、油井の言葉が引き金となって、その場にいた20人あまりが一斉に俺へと殴りかかってきた。
それからの事はハッキリ言ってあんまり覚えてねぇ。
やらなきゃやられる、そんな状況の中で俺も必死だった。
もちろん俺も結構なダメージを負ったが、負けるのだけは嫌だった。
そんな中、吉良と光輝がやってきて、事は片付いたがその後、見事に謹慎となった。
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