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恐る恐る廊下を覗いてみる。
「ひっ……」
面識がないとはいえ、見れば一瞬にして誰が加賀かがわかってしまう。
180cmはあろうかという長身に金髪。
男子にしては長い髪から出た耳にはじゃらじゃらとピアスがいくつもついている。
それどころか口にも眉の端にもピアスが開いているように見えた。
……絶対あれだ…
制服を気崩し、壁にもたれながらスマートフォンを触っている。
画面を見ている為に伏せ目になっている彼は一層目付きの悪さを目立たせた。
何故あんなにも目立つ彼に教室へ入る前に気付かなかったのか不思議な程だ。
他の生徒も加賀が教室前の廊下にいる事自体珍しいと視線を向けるものの誰も近付こうとはしなかった。
何らかの用事で廊下を歩かなければならない生徒もできるだけ加賀との距離をとって歩く。
誰も不良グループのリーダーとは関わりたくないのだ。
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