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「丸井、行ってこいよ」
「い、嫌だよ…藤崎君助けて…」
「無理無理。あんま待たせて怒らせるのもどうかと思うぞ?」
藤崎は冷静に顔の前で手を仰ぎ「俺には何もできない」と軟弱さをアピールする。
「…怒られる?」
「あんまり待たせたらな。今は何故か機嫌がいいみたいだぞ」
「本当?」
「本当、本当」
まるで他人事と言わんばかりにとんっと林檎の背中を押した。
「わわっ!!」
教室の後ろのドアから身を乗り出していた林檎は背中を押された事によりつんのめり、廊下に両手両足をついた状態となった。
「ん?」
「いった…」
勢いよく膝をついてしまった為にじんじんと痛む膝の皿。
思いの外、転んでしまった林檎に藤崎は顔をしかめ、謝ろうと林檎に近寄ったが、すぐにその行動を停止させた。
林檎の声に気付いた加賀が彼女に近付いてきたのだ。
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