271人が本棚に入れています
本棚に追加
「加賀君?」
「悪いな、ちょっと話がある」
何故か真剣な表情の加賀君。
昼休みの時のあの笑顔は見あたりません。
ざわざわと嫌な予感は募るばかりです。
「七瀬、林檎借りる」
「...ここじゃできない話なの?」
「あぁ」
「.......」
ドクンドクンと心臓は波打っています。
嫌な予感はどんどん膨らんでいきます。
だって、空気がただ事じゃないんです。
もしかしたら...
最悪な思考が私を支配しました。
でも、何時間か前までは少なからず一緒に笑っていたのに...
「ここで言えない話って何よ」
何も言えずに黙っている私の代わりに、有紀ちゃんは加賀君に質問してくれました。
「とりあえず、人がいない所の方がいい」
しかし、加賀君は、その質問には答えませんでした。
最初のコメントを投稿しよう!