2

12/28
前へ
/194ページ
次へ
「加賀君?」 「悪いな、ちょっと話がある」 何故か真剣な表情の加賀君。 昼休みの時のあの笑顔は見あたりません。 ざわざわと嫌な予感は募るばかりです。 「七瀬、林檎借りる」 「...ここじゃできない話なの?」 「あぁ」 「.......」 ドクンドクンと心臓は波打っています。 嫌な予感はどんどん膨らんでいきます。 だって、空気がただ事じゃないんです。 もしかしたら... 最悪な思考が私を支配しました。 でも、何時間か前までは少なからず一緒に笑っていたのに... 「ここで言えない話って何よ」   何も言えずに黙っている私の代わりに、有紀ちゃんは加賀君に質問してくれました。 「とりあえず、人がいない所の方がいい」 しかし、加賀君は、その質問には答えませんでした。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

271人が本棚に入れています
本棚に追加