☆Apple queeN☆

２

教室の後ろ側にいた生徒は本能的に危険を察知したのか、教壇のある方へとそろそろと移動した。

藤崎も皆と同じ様に距離を置きたかったが、自分が突き飛ばしてしまった手前、どうにもその場から離れられなかった。

いくら誰とでも仲良く話す藤崎でも加賀と仲良くなる自信はなかったのだ。

「お前、丸井林檎？」

そんな事をしている内に四つん這いの林檎に加賀が話しかけてきた。

その場にしゃがみこみ横から林檎の顔を確かめる。

「…私に何か用ですか？」

たじたじになりながらも四つん這いの姿勢のまま問いかける。

「お前が丸井林檎かって俺が聞いてんだよ」

そんな林檎に加賀は低い声で林檎の質問を打ち消した。