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「加賀君が元crazy'Sだったなら、やっぱり噂は全部本当じゃない!!」 「林檎……」 「私、遊ばれてただけなの?」 「そんなことないよ」 感情的になる私とはうって変わって、有紀ちゃんはとても冷静で、決してただの同情というような表情などしていませんでした。 「加賀が、crazy'Sだったことは紛れもない事実だけど、あんたに出会って変わったのだって事実じゃないの?」 「有紀ちゃん…?」 「そりゃ、昔は散々悪いことしてたかもしれないよ?でもさ、他にも女がいたなら、あんなにまめったく毎日昼休みに会いに来たりなんかしないよ。飽きたなら、もっと前兆があっていいはずじゃない」 「前兆…?」 有紀ちゃんが、また意味深なことを言うものだから、つい私も聞き返してしまうのです。 「飽きるにしたって、今日の昼休みまで普通に接しておいて、放課後急に振るなんておかしいじゃない。別に飽きたことが理由なら、勝手に会いにこなくなるだとか、色々方法はあるわけだし、今日中に別れておかなきゃいけない何かがあったのよ」 真剣な顔で言う有紀ちゃんの言葉は、何故か説得力がありました。 よくよく考えると、確かにおかしいんです。 この際、元crazy'Sの話は置いといたとして、何で数時間前まで普通だった加賀君が、今急に冷たくなったのかが問題なのです。 昼休みから放課後までの3時間程の間に、加賀君に何かあったのかもしれません。 「加賀君、何かあったのかな?」 「私はそう考えるのが妥当だと思うけどね」 「でもcrazy'S…」 「あんたの為に言わなかっただけかもよ?」 「え?」 紛れもない過去の事実を引きずる私に、有紀ちゃんは優しい言葉をくれました。
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